水と言っても全然違う!正しい水の選び方

水と言っても全然違う!正しい水の選び方

【「天然水」と「ミネラルウォーター」は違う?】

 

ペットボトルの水を買うとき、「ただ喉が渇いているので水分が欲しい」という場合にどんな水を選びますか?
値段に大きな差がなければ、多くの方は、まずボトルに記載された商品名やロゴなどを判断材料のひとつにするのではないでしょうか。

 

その場合、「ミネラルウォーター」と「天然水」の違いを意識される方は、あまりいらっしゃらないかもしれません。

 

しかしこの2つ、それぞれの製品によっては、含まれる成分がかなり違っている場合もあるのです。

 

 

また「ミネラルウォーター」と「天然水」は、一見どちらも自然の水を採水した製品のような印象を受けるかもしれません。

 

が、実は2つのうち、片方はそうではないのです。

 

「天然水」の中には「ナチュラルミネラルウォーター」というカテゴリに分類される水もあります。
けれど「ミネラルウォーター」と表記された水は「天然」「自然」という名前をつけてはならないことになっています。

 

ではその違いはどこから来ているのか、他にどんな種類の水があるのかなど、水に関する疑問とその答えをあげていきたいと思います。

 

 

 

【目次】

■ 「ミネラルウォーター」類について
■ 「天然水」「自然水」について
■ 正しい水の選び方

 

・まとめ

 

 

 

 

「ミネラルウォーター」類について

 

あなたが飲んでいるのは「ミネラルウォーター」?「ナチュラルウォーター」?

 

「ミネラルウォーター」と「ナチュラルウォーター」。
消費者としては、特に意識していなければなかなか違いを指摘できないかと思います。

 

けれど農林水産省のガイドラインでは、「容器入り飲料水(ミネラルウォーター類とされます)」を4つのカテゴリに分け、それぞれ成分の記載などを義務づけています。

 

まずはその4つの分類をあげてみましょう。

 

 

(1)ナチュラルウォーター
・特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの。

 

(2)ナチュラルミネラルウォーター
・ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)をいう。)を原水としたもの。

 

(3)ミネラルウォーター
・ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のためにミネラルの調整、ばっ気、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているもの。

 

(4)ボトルウォーター(または「飲用水」)
・ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外のもの。

 

(※引用:農林水産省・ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン

 

日本国内で市販されている「水」は、すべてこのような基準をクリアしているといえます。
このガイドラインを知っていれば、ラベルの成分表示を見て、飲んでいる水がどの種類かわかるようになっているわけです。

 

簡単に言えば、上の(1)は天然の地下水から採水した水、(2)は(1)に同じく天然の地下水で、ミネラル分を含む水ということになります。
そしてどちらも、飲用に適するための不純物の除去や加熱殺菌をする程度で、他に何も足したりしていないのが基本です。

 

(3)は、原水からミネラルを調整したり、数種の(1)や(2)を混ぜたりした水となります。

 

(4)はその他、飲用に際しての安全基準を満たした水ということでしょう。

 

「ペットボトルに入った水」といえば、「ミネラルウォーター」という名称が浮かんで来る方も多いと思います。

 

しかし「ミネラルウォーター」と呼べる水は、この中の(2)と(3)のみということになるわけです。

 

 

 

「ミネラルウォーター」にも違いがある?

 

ミネラル分を含んだ水が「体に良さそう」というイメージは、だいぶ浸透しているかもしれません。

 

しかし、どんな体質・体調の方にもミネラルがいいとばかりは言えないようです。
また食事や飲み物を作る際にも、ミネラル分の有無で水を使い分けた方が良い場合もあるとされます。

 

ミネラル成分の違い

 

「4大ミネラル」と呼ばれるミネラル成分をご存知でしょうか。
「カルシウム」「マグネシウム」「ナトリウム」「カリウム」ですが、
ミネラルウォーターには、これらを多く含むものがたくさんあります。
他にも亜鉛・バナジウム・シリカなどといったミネラル成分を含む水もあります。

 

 

軟水と硬水の違い

 

水の硬度は、1?中のカルシウムやマグネシウムの金属イオン含有量が何mgであるかによって決められます。
WHO(世界保健機関)の基準によれば、

 

・軟水:?硬度120mg/?
・硬水:硬度120mg/??

 

となるようです。

 

・硬水のメリット・デメリット

 

メリットとしては、「ミネラル分を多く含むこと」がまずあげられるでしょう。
そのため、便秘解消や血液をサラサラにする効果がある、とも言われます。
肉を柔らかくする効果などがあるため、西洋料理の煮込みなどには良いとされています。

 

デメリットは硬度が高い、もしくは成分の比率によって「飲みにくい」と感じる場合があることでしょう。
昆布などのダシ類と相性が良くないため、和食の調理には不向きとされます。
また、洗濯や染色などに影響を及ぼすとも言われます。

 

 

・軟水のメリット・デメリット

 

軟水の利点のひとつは、一般的に日本人が「おいしい」と感じられる水であるということでしょうか。
体への吸収が良く、臓器に負担をかけにくいとも言われています。
洗剤や石鹸の泡立ちもよく、しっかり洗い流せるようです。

 

デメリットは、やはりミネラルの含有量が少ないことでしょう。
カルシウム・亜鉛・マグネシウムなどの必須ミネラルを、しっかり水から摂ることは期待できないと言えます。

 

 

 

 

「天然水」「自然水」について

 

@「天然水」って?

 

ガイドラインにより「天然水」または「自然水」という商品名やコピーなどを使用するには条件があります。

 

「ナチュラルウォーター」もしくは「ナチュラルミネラルウォーター」のみがその基準をクリアしているのです。

 

ですから、国内で流通している「天然水」「自然水」は、そのどちらかということになります。

 

 

Aどんな「天然水」がある?

 

「特定の地下水源から採水し、化学・物理的処理をしない」水が天然水です。

 

海外から輸入されているナチュラルミネラルウォーターも天然水と言えます。

 

しかし、おいしい水・美しい水の沢山ある日本は、全国各地に「名水」と呼ばれる水源を持っています。

 

現在、北海道から九州まで、豊かなミネラル成分や飲みやすさを誇るなど、「ご当地ウォーター」とでもいうべき水が沢山販売されているようです。

 

お土産やお取り寄せの感覚で、成分と味を飲み比べるのも楽しいかもしれません。

 

 

 

正しい水の選び方

 

@自分に合った水選び

 

特にミネラル成分の多い水は、健康効果を期待できます。

 

ですが、普段飲み慣れていない超高度の水や、一定のミネラルを多量に含む水などは、気をつけて摂取された方が良いでしょう。

 

合わない方は、お腹がゆるくなるなどの症状が出る場合もあるようです。

 

乳幼児や、腎機能系の病気を持っている方は、あまり硬度の高い水を摂取しないほうがいいとされています。

 

また、ご自身が飲みやすさをあまり感じない水は、飲み続けられなくなるかもしれません。

 

「健康のためにミネラル分の多い水を飲む」という場合は、まず主治医と相談の上、ご自身の体質や体調に合った水を選ぶことが大事ではないでしょうか。

 

 

 

A正しい水の飲み方とは?

 

厚生労働省の推進運動では、「人間が1日に摂取するべき水の量は約2.5リットル」となっています。

 

年齢・性別・運動量などでも違ってくると思いますが、成人以上の男女なら、この摂取量が目安と考えれば良いかもしれません。

 

ただし、量を正確に摂るというより1日何度もこまめに補給したほうがよく、特に一気飲みは禁物のようです。

 

 

激しい運動の最中や直後に大量の水を摂取した場合や、ダイエットや早飲み競技などが重篤な事故につながるケースも報告されています。

 

いわゆる「水中毒」は、低ナトリウム血症(水分の多量摂取によって血中ナトリウム濃度が低下する)や痙攣を引き起こし、ときには生命に危険が及ぶこともあるそうです。

 

摂取量が少ない場合はもちろんですが、多すぎても危険な場合があるということでしょう。

 

「喉が乾いたらすぐに飲む」
「1日コップ2杯余分に飲むよう心がける」

 

といった、小さなところから習慣づけていくのが良いのかもしれません。

 

 

 

まとめ

 

 

日本でも、ペットボトル入りの水を飲用することがかなり一般的になっています。
通勤通学やレジャーなどに携帯するのはもちろん、料理用、各種ミネラル入りの栄養補助用をはじめ、様々なシーンに合わせて水を選ぶ方が増えているようです。
コンビニやスーパー、ネット通販などでも、いまやたくさんの種類が揃う「水」。
「なんとなく」で選ぶのではなく、ご自身の用途に適した水を、しっかり選んでみてはいかがでしょうか。