シリカを飲む前に知っておきたい安全性と副作用
「シリカ」には、構造上の違いから大きく分けて「結晶質シリカ」と「非晶質シリカ」の二つの種類があるとされます。
結晶質の主なものは石英やクリストバル石、非晶質ではシリカゲルや未焼成珪藻土などがあげられるそうです。
こう書かれてあるのを見ると、
「シリカって飲んだり食べたりして大丈夫なの?」
という疑問が浮かぶのではないでしょうか。
そこで、飲料・サプリメントなどに利用されるシリカの安全性、副作用の有無などについて取り上げてみました。
【目次】
■ シリカの安全性 @シリカを含む食品
■ シリカの安全性 A食品添加物としてのシリカ
■ シリカの安全性 Bシリカに危険性はない?
■ シリカの安全性 Cシリカの安全な摂り方は?
■ シリカに副作用はある?
・まとめ
シリカの安全性
@シリカを含む食品
シリカは、私たちが日常で摂取する「穀類」「海藻類」「野菜類」などに、もともと含まれています。
例えば、以下の食品には、100g中にこれだけのシリカが含まれているとされます。
・からす麦(えんばく):600mg
・小麦:160mg
・じゃがいも:200mg
・青のり:62mg
などです。
こういった食材は、アレルギーなどの症状がない方なら普通に摂取しているものでしょう。
また、日本の河川水は「平均して20mg/Lのシリカを含んでいる」という報告が、食品安全委員会でも示されています。
自然にあるシリカは、意識せず摂取しても特に体に害のあるものではないと考えられます。
シリカの安全性 A食品添加物としてのシリカ
日本国内で、飲料やサプリメントとして市販されているシリカ含有食品類は、国の安全基準が認めているものだとされます。
元から含んでいる食品も、食品に添加された場合も同様です。
海外の食品科学委員会(SCF)の報告でも、「特に1日の許容摂取量などは定める必要がない」としています。
食品添加物として、シリカ(ケイ酸カルシウム・微粒二酸化ケイ素など)は粉末調味料や顆粒剤の固結防止・賦形剤などに使用される場合があります。
この場合も「安全性に特に懸念はない」という判断が、厚生労働省の報告書で提出されているようです。
ただし、使用基準案として、
・母乳代替品、及ひ゛離乳食品に使用してはならない。
・使用量は食品の 2.0%以下て゛なけれは゛ならない。
とされています。
現在、販売が国から正式に認可されている製品であれば、安全面での問題はなさそうだと言えるでしょう。
シリカの安全性 Bシリカに危険性はない?
シリカに「危険性」があるという認識には、多少の誤解があるのかもしれません。
工業分野で利用されるシリカ(シリカゲル・石英ガラスなど)と、食品に利用されるシリカは、状態が違っています。
なお、厚生労働省/環境省のガイダンスによると「シリカ (結晶質、非晶質を包含した二酸化ケイ素)」の危険性は、ほぼ以下の2つの場合において認められているようです。
・粉塵・ミストが目に入った場合
・粉塵・ミストを吸引した場合
経口・経皮での危険度については、区分外とされています。
飲料・サプリメント等に適した状態で経口摂取した場合の危険は、現時点では指摘されていないようです。
シリカの安全性 Cシリカの安全な摂り方は?
もともとシリカは「普通の食生活で摂取できている」という考え方が一般的だったそうです。
しかし最近では、「穀物や野菜などの摂取量が少ない」または「加齢」などによって、シリカが体内に不足しがちになる可能性が指摘されているようです。
そのため、市販のミネラルウォーターやサプリメントは「シリカを補う」目的で使用されるのが基本的といえるでしょう。
「いくら健康に良いからといって過度に摂取すれば体への負担となりかねない」のは、シリカに限ったことではありません。
適量を大きく上回るような摂取の仕方は、やはり避けた方が良いと思われます。
シリカに副作用はある?
上に記載したように、ジャガイモや麦など、自然の食材にもシリカは含まれています。
通常、一般的な食生活の中で過度に摂取することはないと言われています。
以下に、様々なメディアで目にする機会のありがちな「シリカの副作用」とされる症状を3点ほど上げておきます。
しかしいずれも現時点では、人体における公的なデータなどの根拠はないと考えて良さそうです。
結石
シリカ等による結石として、主に犬の尿石症事例などが報告されているようです。
ある種のペットフードや、火山地帯など特にシリカ濃度の高い現地の水が原因ではないかと言われています。
また管理のゆきとどいていない自然の湧き水や鉱泉、井戸水などに、高濃度のシリカが含まれている場合もあります。
ですが、健康な人体の場合は「必須ミネラルとして吸収される以外の不要なシリカは体外に排出されるため影響はない」という意見が現在の一般的な認識と言えるでしょう。
ただし、乳幼児や内臓に疾患等がある方の場合は、サプリや水などの使用前に主治医と相談されることをおすすめいたします。
シリカに限らず、カルシウムなどの過剰摂取によっても結石が生じる場合はあるそうです。
むくみ
こちらはシリカのせいではなく、単なる水分の取りすぎとされるもののようです。
シリカを含む含まないにかかわらず、ブームとなったミネラルウォーターには、得てして「飲み過ぎ」の報告が見られると思います。
「たくさん摂るのが良い」のではなく「必要を満たすだけ摂るのが良い」という意識を持って利用するのが、健康につながるのではないでしょうか。
水の硬度による腸への刺激
これもまた、シリカの含有量だけが直接関係しているわけではない症状と言えるでしょう。
日本国内の水道水は、ほとんどの地域では「軟水」であるようです。
海外からの輸入ミネラルウォーターに多く見られる「硬水」は、シリカの他にもマグネシウムやカルシウムなどのミネラルを多く含むとされます。
そのために消化器系が刺激され、便秘などに効果ありと言われているようです。
したがって飲み慣れていない方・胃腸の弱い方には、お腹がゆるくなるなどの影響が出る可能性もあります。
【まとめ】
「シリカウォーター」も「シリカを含むサプリメント」も、現在日本国内で市販を許可されているものについては、安全であるといえるでしょう。
しかし、「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉があります。
せっかく健康のために取り入れたシリカ水やサプリメントも、自己判断での過剰な摂取や体質に合っていない摂り方をすれば、効果が減少してしまうかもしれません。
摂取の際は、用法・用量を正しく守ることが大事ではないでしょうか。
また、ご自身の健康状態をしっかりとチェックした上で利用されることをおすすめしたいと思います。